パテラパテラ。。
ワンちゃん飼育者の中では
パテラの通称で通っている
「膝蓋骨内包脱臼」。
(パテラは膝蓋骨の英名なので厳密には変な通称です)
非常ーーに多い疾患です。
フローリングなどで急に方向転換して
グキッとなる怪我的な脱臼はそんなに遭遇するものではありません。
どちらかというと子犬の段階から
膝のお皿がカパカパコキコキということが多いです。
子犬の初診時に
トイプードルやチワワ、ポメラニアンなど小型犬がとても多く、次に柴やボストンテリアなどが体感的に多い気がします。
先天性の疾患という説と
先天的というより膝蓋骨が成長とともに下の大腿骨に押し付けられることにより大腿骨に溝が作られるのだけどその力が弱いために、溝が浅くなって外れるのだという説もあってよくわかりません。
いずれにせよポイントは
手術が必要なのかどうか?
です。
その基準となるのは
①なにより、痛みがあるか
②脱臼の酷さの程度
③体重
④十字靭帯は大丈夫か
⑤年齢
です。
膝蓋骨内方脱臼は
基本的に自然に治る疾患ではなく
年齢とともに進行していくものです。
ネジの緩んだ椅子をガタガタやっている
ようなものですから、そのうち無理が来るわけです。
よって痛みがあって足を上げて歩く、
散歩を極端に嫌がるようであれば
これはもう手術をお勧めします。
脱臼の程度は一応4段階に分けられていて、
子犬の健診の時にはグレード1であることが多いです。
この時点で3-4、
つまり外れっぱなしになっている子は
やはり早いうちに手術を検討したほうが良いと思います。
体重も大事な要素です。
チワワやトイプードルなど体重が軽ければ多少膝は痛いかもしれませんが一生そのまま暮らす子もいます。
逆に柴など10キロ前後になる犬種は
やはり早いうちに手術をしたほうが良いです。
十字靭帯というのは脛の上にのっている
大腿骨が前や後ろに滑り落ちたりしないように固めてある強力な靭帯です。
スキーやスノボで良く人間もここが切れ
激痛に襲われますが、
膝蓋骨内方脱臼の子は
膝の構造が正常でないだけに
急激な動きの時に
ダイレクトに十字靭帯に負荷がかかります。
ある日それが切れてしまうと痛いし
ヒザもユルユルだしで
これもまた手術がおすすめとなります。
あとは年齢です。
やはり高齢であれば麻酔リスクと
これからの余命をかんがえて
痛み止めでなんとかする場合もあります。
また若い子のほうが治す力も強く
変形もそこまで進んでませんので
手術後に再発しにくくなります。
ざざっと書き連ねましたが
とにかく
初診時に見つかることが多い疾患です。
当院では手術もやっておりますし
程度がひどい場合は専門病院へのご紹介もしておりますので
ぜひご相談ください。
実際手術がどんな感じかは次回のブログにて!
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