内視鏡での異物摘出 

うちの子が吐きまくってるんです!

この主訴は犬猫で主に

とてもよく遭遇します。

この時考えるのはまず

何回、何セット吐いてるのか?

そして何より

異物食べてないか?ということです。

(急性膵炎他も当然考えますが今回は割愛)

異物の診断というのは簡単に聞こえますが

実はとても厄介です。

金属や石、骨ならレントゲンに写るので

簡単です。

何かを確実に食べたのをみた場合もそう難しくないでしょう。

しかし実際は何をどれだけいつ食べたかわからないケースが多く

さらに異物がプラスチックや布、ヒモ状のものなどレントゲンに映らないもののことも多いのです。

バリウムのような造影剤をなんとか飲ませて

その通過をレントゲンで追って行く造影検査が王道ではあります。

また、最近ではエコーとレントゲンを併用することで異物をかなり見つけやすくはなりました。

吐きまくってるのに出ないわけですから

催吐処置はあまり意味がありません。

そうなると次は内視鏡か開腹かということになります。

内視鏡は万能のようですが欠点があります。

届くのが十二指腸までということと、

あまりでかい異物や掴めない異物は取れないということです。

そういう時はそのまま開腹手術となるわけです。

いやですね、さっと内視鏡で取りたいですね。

先日気持ちよく内視鏡で異物が見つかり、

取れたワンちゃんがいました。

https://conet-ah.com/blog/wp-content/uploads/2021/02/r0018217-1.mov

もともと木の枝を食べたかもという主訴

でしたが実際は厚みのあるゴムの外壁のようなものでした。

これはレントゲンに映らない、

エコーでもエコーを通してしまうし

不定形でなんだか想像がつかない

厄介なものだったと思います。

この子はレントゲンとエコーで怪しいとあたりをつけた後

すぐに内視鏡を決断したことが功を奏した例です。

造影検査を挟むと約1日がかりになってしまいますし

異物が腸の方に行ってしまう場合もあります。

麻酔に抵抗がある方も多いかと思いますが、

場合によってはサクッと麻酔かけて内視鏡使った方がいい時もある

という例でした。

ちなみにどうにもならなかった例はこちら

ウナギが飲んだウナギ針を摘出して欲しいという依頼でした。